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2012年3月期決算の概要(2011年4月1日~2012年3月31日)
当連結会計年度の医療機器業界におきましては、国の医療費抑制策が継続するなか、医療機関等の当社取引先を取り巻く経営環境も厳しさを増しており、仕入コスト削減を目的とする共同購入が進展する等、メーカーに対する価格引き下げ圧力も依然高い状況にありました。
これに対し、医療機器業界各社も販売数量の増大を図るため、市場シェア拡大に向けた営業活動を強化するほか、商品の優位性を確保するために、メーカーとの取引関係の見直しや、新商品の開発および市場への早期導入に向けた取り組みを強化しております。特に、商品開発面におきましては、各社ともに従来に比べ低侵襲な治療を可能とする、新規性の高い医療機器に注力しているほか、独自技術を持つ企業に対するM&Aも活発化しております。
こうした経営環境のもと、当社グループといたしましては、主力であるCRM(心臓不整脈治療)事業におきまして、心臓ペースメーカ関連を中心に拡販に努めたほか、新商品を発売したCRT-D(除細動機能付き両心室ペースメーカ)におきましても市場への浸透に努めてまいりました。
また、EPカテーテルをはじめとした自社製品におきましては、国内の医療現場のニーズを迅速かつ的確に製品開発に反映し、市場から高い評価を得ております。本年1月には、新たな自社製品の製造拠点である戸田ファクトリーが稼働を開始し、今後も成長が見込まれる自社製品の安定供給体制が整備されました。また、研究開発部門であるリサーチセンターを同施設内に移転し、研究開発体制の充実および製造部門との一層の連携強化を図りました。
また、人工血管としては唯一の国産品である「J Graft(ジェイ・グラフト)」につきましては、昨年2月の新工場稼動に伴い、市場ニーズに十分対応できる生産体制が確立されたことからも、引き続き販売数量の増大に取り組んでまいりました。
インターベンション領域では、バルーンカテーテル「LIFESPEAR(ライフスピア)」シリーズが伸長し、好調であった前年をさらに上回る結果となりました。また、自社製品であるガイドワイヤーにおきましては、新製品「ATHLETE Spider(アスリート・スパイダー)」および「ATHLETE JOKER(アスリート・ジョーカー)」を同時に発売し、シェア拡大を図ってまいりました。
以上の取り組みの結果、リズムディバイスにおけるICD関連商品の販売が当初見込みを下回って進捗しましたものの、自社製品をはじめとして、全般的に前年同期を上回って推移したことから、当期の売上高は231億4千万円(前年同期比3.5%増)となりました。
品目別の販売状況は以下のとおりです。
| 前連結会計年度 (自 成22年4月1日) (至 平成23年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成23年4月1日) (至 平成24年3月31日) |
増減率 | |
|---|---|---|---|
| リズムディバイス | 10,531 | 10,478 | △0.5% |
| EP/アブレーション | 4,632 | 5,122 | 10.6% |
| 外科関連 | 2,388 | 2,420 | 1.4% |
| インターベンション | 3,286 | 3,647 | 11.0% |
| その他 | 1,522 | 1,472 | △3.3% |
| 合計 | 22,361 | 23,140 | 3.5% |
※各品目区分に分類される主たる商品は以下のとおりです。
| リズムディバイス | 心臓ペースメーカ、ICD(植込み型除細動器)、CRT-D(除細動機能付き両心室ペースメーカ) |
|---|---|
| EP/アブレーション | EP(電気生理用)カテーテル、アブレーションカテーテル |
| 外科関連 | 人工血管、人工心臓弁、人工弁輪、人工心肺関連商品 |
| インターベンション | バルーンカテーテル、ガイドワイヤー、心房中隔欠損閉鎖器具、動脈管開存閉鎖器具、血管内異物除去用カテーテル |
| その他 | 血液浄化関連商品 |
リズムディバイス
心臓ペースメーカにおきましては、「REPLY(リプライ)」が持つ商品の優位性を訴求した結果、販売数量が伸長いたしました。
ICD(植込み型除細動器)関連におきましては、競合各社ともにICD関連の市場を今後の成長分野として位置づけ、取り組みを強化しております。そのような中、当社といたしましては、CRT-D(除細動機能付き両心室ペースメーカ)の新商品「PARADYM CRT-D(パラダイムCRT-D)」の拡販に努めましたものの、厳しい競争環境のもとで、ICDにおきましては販売数量が減少いたしました。
以上の結果、リズムディバイスの売上高は104億7千8百万円(前年同期比0.5%減)となりました。
EP/アブレーション
EPカテーテルにおきましては、心房細動のアブレーション治療の症例数が増加傾向にあることから、同治療の際に使用される「EPstar Libero(EPスター・リベロ)」などの製品を中心として、引き続き前年を上回って推移いたしました。また、アブレーションカテーテルにおきましては、競合製品の影響が一部ありましたものの、概ね前年同水準の売上を維持いたしました。
以上の結果、EP/アブレーションの売上高は51億2千2百万円(前年同期比10.6%増)となりました。
外科関連
人工血管におきましては、「J Graft(ジェイ・グラフト)」の性能が医療現場から高い評価を得ていることに加え、新工場の稼働により市場ニーズに対して潤沢な製品供給が可能となったことから、売上高は前年同期に比べ14.2%増加いたしました。
人工心臓弁におきましては、当社が取り扱う機械弁から生体弁へと治療方法が移行しているなか、当社といたしましても生体弁の販売準備を進めておりましたが、導入が計画より遅れたことにより、当期は機械弁のみの取り扱いとなったため販売数量が減少いたしました。
また、人工心臓弁同様に心臓弁膜症の治療に用いられる人工弁輪におきまして、当社初の商品となる「MEMO 3D(メモ・スリーディー)」の販売を本年2月より開始いたしました。人工弁輪は、人工心臓弁への置換を行わずに、自己の弁を温存して治療する際に使用する医療機器であり、今後も症例数の増加が見込まれております。
以上の結果、外科関連の売上高は24億2千万円(前年同期比1.4%増)となりました。
インターベンション
バルーンカテーテルにおきましては、「LIFESPEAR(ライフスピア)」シリーズが発売以来、順調に 販売数量を伸ばしており、売上高は前年同期に比べ22.0%増加いたしました。
自社製品のガイドワイヤーにおきましては、末梢血管用の「ATHLETE Wizard PV(アスリート・ウィザードPV)」が伸長したことなどにより、販売数量は前年同期に比べ6.4%増加いたしました。また、冠動脈用の新製品として、高い操作性を持つ「ATHLETE Spider(アスリート・スパイダー)」および、複雑な病変部への対応力を高めた「ATHLETE JOKER(アスリート・ジョーカー)」を発売し、シェア獲得に努めてまいりました。
なお、心房中隔欠損閉鎖器具および動脈管開存閉鎖器具につきましては、昨年12月に販売を終了いたしました。
以上の結果、インターベンションの売上高は、36億4千7百万円(前年同期比11.0%増)となりました。
その他
連結子会社で販売する血液浄化関連商品等のその他の売上高は14億7千2百万円(前年同期比3.3%減)となりました。
営業利益
利益面におきましては、心臓ペースメーカリードにおいて、自社ブランド品「J-Line(ジェイ・ライン)」への切り替えが進んだことに加え、採算性の高い自社製品の売上高構成比が増加したことより、売上総利益率は2.4ポイント改善いたしました。また、新工場稼動による減価償却費負担の増加や新製品開発への積極投資などにより、営業利益は11億4千7百万円(前年同期比17.9%増)となりました。
経常利益
受取利息、受取配当金等を営業外収益として8千7百万円、支払利息等を営業外費用として3千6百万円計上したことにより、経常利益は11億9千8百万円(前年同期比10.7%増)となりました。
当期純利益
昨年12月のAGA Medical社商品の独占販売契約終了に伴い、特別利益として、薬事承認権譲渡益等を4億6千4百万円計上し、さらに、法人税率引き下げに伴う繰延税金資産の取り崩しをおこなった結果、当期純利益は7億2千万円(前年同期比6.8%減)となりました。
当医療機器業界におきましては、本年4月に保険償還価格の改定が行われており、当社の取り扱う商品全般が価格引き下げの対象となっております。当社の主力商品の一つである心臓ペースメーカの主要モデルの引下げ幅が13.8%となる等、一部商品におきましては厳しい引き下げが実施されており、次期の経営成績は厳しくなるものと見込んでおります。
このような状況に対し、当社グループといたしましては、既存商品の市場シェア拡大に取り組み、販売数量の増加により価格下落の影響を吸収できるよう努めるとともに、新商品の市場導入により売上高の増加を図ってまいります。次期の下半期には、自社製品である心腔内除細動システム「SHOCK AT(ショックAT)」の発売を予定しております。同製品により、患者様にとって低侵襲で安全性の高い治療が可能となることから、市場における潜在的なニーズが見込まれております。また、現時点では当社のオンリーワン製品でもあることから、次期の業績に寄与するものと考えております。
さらに、人工心臓弁におきましても、発売が遅れておりました生体弁の市場導入を予定しており、機械弁や人工弁輪とあわせて様々なニーズに応える体制が整いますので、市場への早期浸透に向け積極的な営業活動を展開してまいります。
以上のことにより、平成25年3月期の連結売上高は230億9千6百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益9億2千3百万円(前年同期比19.6%減)、経常利益9億2千万円(前年同期比23.2%減)、当期純利益5億2千6百万円(前年同期比26.9%減)を見込んでおります。