人工血管置換術

4. 診断・手術が必要な場合

進歩した大動脈瘤の診断

胸部、腹部のレントゲン写真、CT検査、超音波検査、MRI、血管造影などがあります。その他、特に破裂した時などは急性心筋梗塞と類似しており、心電図、血液検査が診断のために必要になることもあります。また手術を考慮する場合、心臓、腎臓、肝臓、肺、脳など他の主要臓器の検査が必要になります。

最近の画像診断の目覚しい進歩によって、検査時間が短くなり、しかもより正確な診断ができるようになりました。とくにCTや超音波エコー検査が進歩し、必要な検査であるものの患者さまに苦痛を与える血管造影が省かれる場合も多くなりました。1つの検査か、いずれかの組み合わせで、大動脈瘤の診断はほぼ可能になっています。

手術が必要な場合

  • 真性大動脈瘤
  • 破裂の危険性がある場合、手術が必要となります。大きさでいうと、直径50mm以上であれば破裂の危険性があります。特に、こぶが拡大傾向にある場合はなるべく早く手術をする必要があります。破裂の予知は容易ではありませんが、一般的に“こぶ”が大きいものほど破裂しやすいと言えます。

    大動脈瘤のいちばん太いところが、胸部大動脈瘤では50mm、腹部大動脈瘤では40mmを超える場合を手術の適応としていますが、高齢者や他の疾患を合併している患者さまで手術の危険性が高い時は、胸部大動脈瘤では60mm、腹部大動脈瘤では50mm以上で手術をすすめます。

    「嚢状瘤」は「紡錘状瘤」より破裂しやすいといわれており、“こぶ”が小さくても手術を考えます。短期間で急速に拡大している場合や「切迫破裂」のときは早めの手術が必要です。破裂した場合は緊急手術の適応となります。仮性大動脈瘤や、感染や外傷による大動脈瘤は大動脈壁が極めて弱いため、“こぶ”が小さくても手術をしなければなりません。

  • 解離性大動脈瘤
  • 急性の場合で、上行大動脈に解離がある「A型解離」では緊急手術が必要で、「B型解離」では、破裂や重要な臓器の血流障害など合併症のない場合、降圧療法を行います。

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