業績ハイライト

売上高について

当連結会計年度における販売の状況といたしましては、新型コロナウイルスの感染拡大や競合他社との競争が激化したことから、売上高は前期と比べ概ね横ばいで推移いたしました。新型コロナウイルスに関しては、感染状況の悪化に伴い、一部の医療機関において、病床確保の必要性や医療従事者の人員不足を背景に、緊急性の低い待機的症例を延期する等の対応がなされたことから、当社の製品の販売にも一定の影響がありました。また、事業環境の変化に関しては、一部の主力製品における競合他社の新規参入が、収益の伸びを抑制する要因となりました。


リズムディバイスにおいては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響や競合他社の新製品の影響により、前期に比べやや減収となりました。EP/アブレーションにおいては、心房細動のアブレーション治療の症例数の回復を背景に、主力の自社製品の販売が堅調に推移したほか、2021年7月に発売した内視鏡レーザーアブレーションカテーテルの次世代品が寄与したことで、前期に比べ増収となりました。外科関連においては、人工血管やオープンステントグラフト等の自社製品が伸長したものの、2021年4月に血液浄化事業を譲渡した影響をカバーするには至らず、減収となりました。インターベンションにおいては、消化器領域の自社製品が大きく伸長したものの、PI(経皮的インターベンション)関連においては症例数の回復の遅れと競合他社との競争激化を背景に、前期と比べ減収となりました。


以上により、当期の売上高は51,469百万円(前期比0.4%増)となりました。

■品目別売上高
(単位:百万円)
区分 前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
増減率
リズムディバイス 13,248 12,977 △2.0%
EP/アブレーション 23,863 25,099 5.2%
外科関連 9,969 9,657 △3.1%
インターベンション 4,204 3,733 △11.2%
合計 51,286 51,469 0.4%

※各品目区分に分類される主たる商品は以下のとおりです。


リズムディバイス

心臓ペースメーカ、ICD(植込み型除細動器)、
S-ICD(完全皮下植込み型除細動器)、
CRT-P(両心室ペースメーカ)、
CRT-D(除細動機能付き両心室ペースメーカ)、
AED(自動体外式除細動器)、
舌下神経電気刺激装置

EP/アブレーション

EP(電気生理用)カテーテル、アブレーションカテーテル、
内視鏡レーザーアブレーションカテーテル、心腔内除細動カテーテル、
食道温モニタリングカテーテル、高周波心房中隔穿刺針

外科関連

人工血管、オープンステントグラフト、ステントグラフト

インターベンション

バルーンカテーテル、ガイドワイヤー、
心房中隔欠損閉鎖器具、薬剤溶出型冠動脈ステント、
血管内圧測定用センサ付ガイドワイヤー、
大腸ステント、胃・十二指腸ステント、
肝癌治療用ラジオ波焼灼電極針

■リズムディバイス

ペースメーカ関連においては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う待機的症例の延期や競合他社の新製品発売の影響等により、販売は伸び悩み、前期に比べやや減収となりました。


ICD関連においては、ペースメーカ関連と同様に新型コロナウイルスの影響がありましたが、ICD(植込み型除細動器)については、交換症例を多く獲得できたことから、前期に比べ増収となりました。しかしながら、S-ICD(完全皮下植込み型除細動器)及び、CRT-D(除細動機能付き両心室ペースメーカ)については、前期に比べ減収となりました。


その他の品目においては、AED(自動体外式除細動器)のレンタルによる売上が伸長いたしました。また、閉塞性睡眠時無呼吸症の治療に用いられる舌下神経電気刺激装置「Inspire UAS(インスパイア・ユーエーエス)」の国内初症例を2022年2月に実施いたしました。睡眠呼吸障害の治療は当社にとって新しい治療領域でありますが、本商品は患者様に対する新たな治療の選択肢の提供につながるものであり、また、睡眠呼吸障害と心不全等の循環器疾患には高い関連性が指摘されており、既存の不整脈事業とのシナジーも期待されることから、今後普及に努めてまいります。


以上により、リズムディバイスの売上高は、12,977百万円(前期比2.0%減)となりました。

■EP/アブレーション

EPカテーテルにおいては、心房細動のアブレーション治療の症例数が回復したことを受け、オンリーワン製品である心腔内除細動カテーテル「BeeAT(ビート)」の販売が堅調に推移し、前期に比べ増収となりました。また、食道温モニタリングカテーテル「Esophastar(エソファスター)」についても、堅調に推移し増収となりました。


アブレーションカテーテルにおいては、高周波を用いる一般的なアブレーションカテーテルは、競合製品の影響等により、売上高は前期に比べやや減収となりました。一方、当社が新しいアブレーション技術として注目し、2018年より販売している内視鏡レーザーアブレーションカテーテルについては、2021年7月に次世代品である「HeartLight X3(ハートライト・エックススリー)」を発売いたしました。次世代品は、従来品と比べて手技時間が大幅に短縮される点が高く評価され、当期の販売は好調に推移いたしました。


その他の品目においては、スティーラブルシースの自社製品「Leftee(レフティー)」について、医療現場において高い操作性が評価されたことから、前年に比べ大きく増収となりました。一方、心房中隔穿刺針「RF Needle(アールエフニードル)」については、競合他社の新規参入による影響を受け、やや減収となりました。


以上により、EP/アブレーションの売上高は、25,099百万円(前期比5.2%増)となりました。

■外科関連

人工血管関連においては、コロナ禍で様々な制約があるなかにおいても、対面重視の営業活動を積極的に推進したことが奏功し、自社製品の人工血管「J-Graft(ジェイグラフト)」シリーズの販売は好調に推移いたしました。また、オンリーワン製品であるオープンステントグラフト「FROZENIX(フローゼニクス)」についても、コロナ禍で治療時間を短縮できるメリットが評価されたほか、「J-Graft」シリーズと併用する手技が医師に評価されたことから、販売は前期に比べ伸長いたしました。一方、腹部用ステントグラフト「AFX2ステントグラフトシステム」については、販売は底堅く推移し、2021年10月に発売した腹部用ステントグラフトの新商品「Alto(アルト)」の寄与もあったことから、前期並みの水準となりました。


その他の品目においては、血管内塞栓用コイル「Avenir(アベニア)」を、2021年12月より当社が既に強みを確立している腹部領域において、先行して販売を開始し、2022年4月以降は、脳血管領域での販売も開始いたしました。当社は脳血管領域を新たな成長分野と位置づけ、同領域の開拓を進めてまいります。


また、2021年4月に血液浄化事業を譲渡しており、これが当期においては減収要因となりました。


以上により、外科関連の売上高は、9,657百万円(前期比3.1%減)となりました。

■インターベンション

PI関連においては、全体として症例数の回復が遅れたことに加え、競合他社との競争が激化したことから、総じて厳しい状況で推移いたしました。薬剤溶出型冠動脈ステント「Orsiro(オシロ)」については、前期に比べ減収となり、販売単価の下落により収益性も低下していたことから、2022年2月25日付のプレスリリース「薬剤溶出型冠動脈ステントの独占販売契約の終了に関するお知らせ」にありますとおり、2022年6月末をもって独占販売契約を前倒しして終了することを決定いたしました。また、自社製品のガイドワイヤーやバルーンカテーテルについても、競合他社の影響等により、減収となりました。


消化器関連においては、後継モデルを発売した大腸ステント「Jentlly Neo Colonic Stent(ジェントリー・ネオ・コロニックステント)」の販売が好調に推移したほか、2021年9月に発売した胃・十二指腸ステント「Jentlly Neo Duodenal Stent(ジェントリー・ネオ・デュオディナルステント)」の寄与もあり、前期に比べ大幅な増収となりました。また、肝癌治療用ラジオ波焼灼電極針「arfa(アルファ)」についても、預託施設の拡大が奏功し、売上高は伸長いたしました。


以上により、インターベンションの売上高は、3,733百万円(前期比11.2%減)となりました。

損益について

■営業利益

売上総利益率については、一部の仕入商品の競争激化による販売価格面への影響や薬剤溶出型冠動脈ステントの販売不振による商品評価損等の計上が、マイナス要因となりました。しかしながら、自社製品が大半を占めるEP/アブレーションや外科関連が堅調に推移し、売上高に占める自社製品比率が上昇したことから、マイナス要因は吸収され、売上総利益率は前期に比べて0.1ポイント上昇いたしました。販売費及び一般管理費においては、前期に比べ新商品の導入に係る治験費用や研究開発費が増加したほか、営業活動等の制約の緩和に伴い、旅費交通費や広告宣伝費等の販売関連の費用が増加いたしました。


以上により、当期の営業利益は9,973百万円(前期比3.8%減)となりました。


■経常利益

営業外損益については、受取利息及び受取配当金のほか、血液浄化事業の譲渡に係る事業譲渡益等を営業外収益として316百万円、支払利息のほか、投資有価証券評価損等を営業外費用として285百万円計上いたしました。


以上により、当期の経常利益は、10,005百万円(前期比4.9%減)となりました。


■親会社株主に帰属する四半期純利益

特別損益については、投資有価証券売却益等を特別利益として44百万円、固定資産売却損等を特別損失として8百万円計上いたしました。


以上により、当期の親会社株主に帰属する当期純利益は7,484百万円(前期比274.1%増)となりました。



2023年3月期の見通し

2023年3月期の連結業績予想の前提といたしまして、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は限定的であると想定しているものの、変異株の感染拡大等、予断を許さない状況が続いており、医療機関における厳重な感染対策の継続等が予想されることから、症例数の回復は緩やかなものになると見込んでおります。また、2022年4月に保険償還価格の改定が行われており、当社の主力製品であるペースメーカやEPカテーテル等の価格の引き下げ幅が例年と比べ大きかったことから、当社の連結売上高にも一定の影響がある見通しです。


利益面においては、採算が悪化していた薬剤溶出型冠動脈ステントの独占販売契約を早期に終了するほか、心房細動のアブレーション治療の症例数の増加に伴うEP/アブレーションにおける自社製品の伸長や外科関連の自社製品の伸長を見込んでおります。これにより、売上高に占める自社製品比率は、通期で53.3%(前期比0.9ポイント増)と上昇することが予想され、売上総利益率は57.8%(前期比1.8ポイント増)と改善する見通しです。販売費及び一般管理費においては、研究開発費やIT関連費が増加するほか、感染状況の緩和に伴う営業活動等の増加により、旅費交通費や広告宣伝費等が増加する見通しです。


以上により、2023年3月期の連結業績は、売上高51,527百万円(前期比0.1%増)、営業利益10,011百万円(前期比0.4%増)、経常利益10,003百万円(前期比0.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益7,274百万円(前期比2.8%減)を見込んでおります。


なお、本業績予想は、新型コロナウイルスの感染の再拡大等、様々な要因により変動する可能性があります。




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