大動脈は、心臓から送り出された血液が通る体内で最も太い動脈です。心臓から送り出された血液は、大動脈から枝分かれした血管を通して脳や腎臓、肝臓などの重要臓器に運ばれます。
横隔膜から上の部分を胸部大動脈、横隔膜から左右の下肢に分岐する部分までを腹部大動脈といいます。胸部大動脈は心臓から上(頭)に向かう上行大動脈、脳や腕に血液を運ぶ血管を分枝する弓部大動脈、下へ向かう下行大動脈に分けられます。
大動脈瘤とは、大動脈の一部が弱くなり膨らんでしまう状態を指します。風船と同じで、いったん大きくなり始めると少しの力で膨らみやすくなり、最終的には破裂する危険性があります。明らかな自覚症状がないまま進行する場合が多く、破裂すると激しい痛みを生じます。
大動脈解離とは、大動脈内側の亀裂から血管の壁に血液が流れ込み、大動脈壁が二層に裂けてしまった状態を指します。発症時に引き裂かれるような激しい痛みがあり、解離の進行にあわせて痛みも移動します。
治療法は原因や症状の程度によりますが、薬物療法や手術があります。予後は病状の進行度や個々の健康状態によります。
大動脈瘤・大動脈解離に対する人工血管置換術・ステントグラフト内挿術
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