心房中隔欠損症に対する経カテーテル閉鎖術

病名と症状

心房中隔欠損症(ASD)とは、心臓の左右の心房を隔てる壁(心房中隔)に穴があいている状態を指します。重症の場合、新生児や乳児期に症状があらわれ、手術が必要となります。しかしほとんどの場合、成長するまで自覚症状がなく(または軽く)、その症状は患者さんによって異なります。新生児期に症状があらわれない場合でも、年齢を増すごとに動悸や息切れ、心房細動などの症状があらわれ、治療が必要となります。

心房中隔欠損(ASD)

検査

心房中隔欠損症の診断は、心エコー検査や心電図検査、心臓カテーテル検査などで行われます。これらは、心臓の動きや心臓の電気的な活動を評価するのに役立ちます。

心電図検査
X線カテーテル検査

治療

心房中隔欠損症の治療に外科手術や、経カテーテル閉鎖術があります。経カテーテル閉鎖術は、カテーテルを用いて心房中隔の穴を閉鎖栓で閉じる手術です。手術は全身麻酔下で行われます。

心房中隔欠損閉鎖術

入院/退院

経カテーテル閉鎖術は、数日程度の入院が必要です。退院後は定期的に医師の診察を受け、手術の結果をチェックします。

よくある質問

Q. 心房中隔閉鎖術の手術は痛いですか?
A. 心房中隔閉鎖術の手術は全身麻酔下で行われます。手術自体は痛みを感じることはありません。手術後、傷口には一時的な痛みがあるかもしれませんが、適切な痛み止めの薬で管理されます。

Q. 手術後の生活で注意すべきことは何ですか?
A. 手術後は、傷口のケアと定期的な医療チェックが必要です。閉鎖栓が心臓内で安定するまでの約1ヶ月間は、激しい運動は避けてください。胸部を強打したり、転んだり、ボディーコンタクトのあるスポーツを行ったりした場合、閉鎖栓が心房中隔からはずれ、外科手術によって取り出すことが必要となることがあります。また、治療後の6ヶ月間は抗血小板薬を服用します。抗血小板薬の服用は、血栓の形成を予防するためにとても大切です。また感染性心内膜炎の予防のための抗生物質の服用も必要となることがあります。担当医から具体的な指示があります。

Q. 経カテーテル閉鎖術が受けられない場合とは?
A. 欠損孔の位置や大きさ、形によって閉鎖栓を入れるには適していない、もしくは穴が複数開いている場合、下肢や腹部の血管の問題、胸郭や心臓周囲の問題でカテーテルの挿入部が得られない場合、この方法による治療に向かない可能性があります。

関連情報

それぞれの病気について(特定非営利活動法人日本小児循環器学会)

心臓病の知識(公益財団法人 日本心臓財団)

上記の情報は一般的なものであり、個々の患者さんの状況により異なる場合があります。具体的な疑問などは専門の医療機関や医師にご相談ください。

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