病名と症状
心臓弁膜症とは、心臓弁の働きが悪くなり、全身に十分な血液を送り出せない状態を指します。心臓の入口と出口にある弁は血液が一方方向にだけ流れ、逆流をおこさないように働いています。胸に耳を押し当てたときに聞こえてくるドキドキという音は心臓弁が閉じるときの音です。
心臓弁が開きにくくなり、血液が通過しにくくなった状態を「狭窄症」、心臓弁がきっちりと閉じず血液が逆流してしまう状態を「閉鎖不全症」と呼びます。症状としては、動悸、息切れ、むくみなどがあります。
検査
心臓弁膜症の診断は、聴診、心エコー検査などで行われます。これらは、心臓の状態や血液の流れなどを評価するのに役立ちます。
治療
心臓弁膜症の治療には内科的治療(薬物療法)と外科的治療(手術)があります。外科的治療の方法は大きく分けて患者さん自身の心臓弁を修復する「心臓弁形成術」と、人工の心臓弁に置き換える「心臓弁置換術」に分けられます。
重度の大動脈弁狭窄症の患者さんで、高齢等のため体力が低下していたり、その他の疾患などのリスクがあったりして外科的治療を受けられない方等を対象に、カテーテルを用いた大動脈弁置換術(TAVI)も行われています。
入院/退院
心臓弁形成術や心臓弁置換術の手術は、数日から数週間程度の入院が必要です。退院後は定期的に医師の診察を受け、手術の結果をチェックします。
よくある質問
Q. 心臓弁形成術や心臓弁置換術の手術は痛いですか? A. 心臓弁形成術や心臓弁置換術の手術は全身麻酔下で行われます。手術自体は痛みを感じることはありません。手術後、傷口には一時的な痛みがあるかもしれませんが、適切な痛み止めの薬で管理されます。
Q. 手術後の生活で注意すべきことは何ですか? A. 手術後は傷口のケアと定期的な医療チェックが必要です。担当医から具体的な指示があります。
上記の情報は一般的なものであり、個々の患者さんの状況により異なる場合があります。具体的な疑問などは専門の医療機関や医師にご相談ください。