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2013年4月2日

胸部大動脈用ステントグラフト「RELAY Plus」薬事承認取得のお知らせ

当社は3月29日にボルトンメディカル社(スペイン)製の胸部大動脈用ステントグラフト「RELAY Plus(リレイ・プラス)」の薬事承認を取得いたしました。当社では、同商品の本年5月の保険適用および販売開始を見込んでおり、優れた性能を訴求し普及に努めてまいります。

ステントグラフトは大動脈瘤を治療するための医療機器であり、病変部位に留置されるステントグラフトとステントグラフトを病変部位まで運ぶデリバリーシステムから構成されております。「RELAY Plus」のステントグラフトは、多繊維のウーブンポリエステル製のグラフトに、ナイチノール製のワイヤーで出来たステントを縫合して作成されており、高い耐久性を有しております。また一本のステントグラフトにおいても、血管内で留置される位置に応じて6つの異なる構造を持たせることで、高度に屈曲した胸部大動脈の形状に対しても優れた追従性を発揮し、留置後の位置のずれや血液の漏れを抑えるデザインとなっております。さらに「RELAY Plus」は、形状、長さおよび径の異なる豊富なサイズバリエーションを有しており、幅広い症例への対応が可能となっております。

「RELAY Plus」のデリバリーシステムは、アウターシースとインナーシースの二重構造となっており、アウターシースには親水性コーティングを施すことで血管内でのスムーズな操作を可能にしております。またステントグラフトを包み込んでいるインナーシースに柔軟な素材を用いることで、病変部位の損傷を軽減するとともに、先端部に採用された独自の機構により、病変部位への的確な留置を実現いたします。

現在、大動脈瘤に対しては、外科手術により病変部位を人工血管へ置換する治療方法が一般的でありますが、外科手術に伴う患者様の身体的負担が大きいことから、高齢者や合併疾患を有する患者様における治療が困難なケースがあります。これに対してステントグラフトによる治療は、足の付け根の血管からデリバリーシステムを通じて、ステントグラフトを病変部位へ運び、血管内に留置して瘤内部への血流を遮断することにより治療します。外科手術に比べ低侵襲な治療方法であることから、欧米では既に広く普及しております。

当社では既に大動脈瘤治療の分野において、人工血管としては唯一の国産製品である「J Graft(ジェイ・グラフト)」を導入しており、今回新たに胸部大動脈用ステントグラフトがラインナップに加わることにより、医療現場の多様なニーズに幅広く対応できるものと考えております。引き続き「RELAY Plus」の普及に向けた取り組みを進めるとともに、今後も国内外の優れた医療機器の導入に努めてまいります。

【動脈瘤】

動脈硬化等の原因により弱くなった血管壁が、高い血圧により押され袋のように膨らんだものが動脈瘤であり、腹部大動脈や胸部大動脈において多く発生します。動脈瘤が徐々に大きくなり破裂した場合には死亡に至る危険性が高いため、医師のもとで定期的に検査を受け、瘤の状態を確認し治療することが必要です。

胸部大動脈用ステントグラフト「RELAY Plus」

胸部大動脈用ステントグラフト「RELAY Plus」

以上

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