1. 事業領域
リズムディバイス
不整脈を治療する、主に体内植込み型の器具を扱う事業領域。
EP/アブレーション
不整脈の検査や治療を行うための、ディスポーザブル式の電極のついたカテーテル(体の中に入る細い管)を扱う事業領域。
外科関連
本来の機能が失われてしまった血管を、外科手術により人工の器官に置き換え、治療するための器具を扱う事業領域。
インターベンション
カテーテル(体の中に入る細い管)を皮膚を通して血管に挿入し、心筋梗塞等の治療を行う器具を扱う事業領域。
2. 疾患・取扱製品
心臓ペースメーカ
植込み型の医療機器。
心臓の拍動が正常よりも遅くなる不整脈(徐脈)に対して、人工的に電気刺激を与えることで拍動を保つ。
ICD(Implantable Cardioverter Defibrillator)
植込み型の医療機器(植込み型除細動器)。
心臓の拍動が異常に早まる不整脈(頻脈)のうち、致死性の不整脈である心室細動の発生を検知し、電気ショックを与えることで、拍動を正常な状態に戻す。
CRT-P(Cardiac Resynchronization Therapy Pacemaker)
植込み型の医療機器(両心室心臓ペースメーカ)。
重症心不全に対して、心臓の左右両方の心室に電気刺激を与えることで、心臓の同期不全を整えポンプ機能を改善する。
S-ICD(Subcutaneous Implantable Cardioverter Defibrillator)
植込み型の医療機器(完全皮下植込み型除細動器)。
従来のICDは静脈を介し心臓内にリードを留置するのに対し、S-ICDは全てのシステムを皮下に植込むことで血管内や心臓へ異物が留置されない。
CRT-D(Cardiac Resynchronization Therapy Defibrillator)
植込み型の医療機器(除細動機能付き両心室ペースメーカ)。
両心室心臓ペースメーカの機能に加え除細動機能も有しており、致死性の不整脈の発生時は、本体から電気刺激を心臓内に与え治療を行う。
アブレーションカテーテル
頻脈の原因となる心臓内の異常な電気信号の経路を焼き切る際に使用するカテーテル(体の中に入る細い管)。
EP(Electrophysiological)カテーテル
不整脈の診断や治療方法の適応を判断するための検査に用いられるカテーテル(体の中に入る細い管)。
心臓内の電位を測定したり、不整脈を誘発することで原因を特定する。
心腔内除細動カテーテル
アブレーション治療の際に発生する心房細動に対し、心腔内で除細動を行うことにより、低侵襲に心房細動を停止させることができるカテーテル(体の中に入る細い管)。
EPカテーテルとしての診断機能も合わせ持つ。
内視鏡レーザーアブレーションカテーテル
バルーン内部からレーザーを照射し、頻脈の原因となる部位を焼き切り治療する際に使用するバルーン形状のアブレーションカテーテル(体の中に入る細い管)。
カテーテル内部の内視鏡により、正確な留置および焼灼が可能。
高周波心房中隔穿刺針
アブレーション治療などの際に、左右の心房の間にある壁(心房中隔)に、カテーテルを通すための穴を高周波により開ける際に使用する機械針。
人工血管
動脈瘤や狭窄などの病変のある血管の代わりに使用される人工機器。
ポリエステルやフッ素樹脂などの繊維で作られる。
オープンステントグラフト
大動脈瘤や大動脈解離などの胸部大動脈疾患を治療する医療機器。
従来の人工血管を用いた手技に比べ、低侵襲で短時間の治療を可能にする。
ステントグラフト
動脈瘤などの治療に使用される、ステントという金属性の網状の筒に人工布を縫い付けた人工血管。
カテーテル(体に入る細い管)に収納し、患部まで挿入して動脈内で広げ、血管を補強する。
バルーンカテーテル
心臓の筋肉に酸素や栄養を送る血管(冠動脈)が詰まることが原因となる心筋梗塞や狭心症の治療に用いられるカテーテル(体に入る細い管)。
血管の詰まった部分で風船(バルーン)を拡張させ、再度血流を確保する。
ガイドワイヤー
バルーンカテーテルを血管の詰まった部分に導くために用いられる髪の毛程度の太さのワイヤー(針金)。
血管の詰まった部分の先まで通過させ、これに沿ってバルーンカテーテルを進める。
DES(Drug-Eluting Stent)
薬剤溶出型冠動脈ステントのこと。
表面に特殊な薬剤が塗布されたステント(金属のチューブ)。
冠動脈内に留め置かれた後に、薬剤が徐々に血管内に溶け出し、血管が再度詰まってしまう再狭窄を防ぐ。
心房中隔欠損閉鎖器具
先天的に心臓の左右の心房を隔てる壁に穴が開いている疾患(心房中隔欠損症)を、外科手術を行うことなく閉鎖することが出来る植込み型の医療機器。
円盤状の器具で壁を塞ぎ治療する。
ASD(Atrial Septal Defect)
心房中隔欠損症のこと。
先天的に心臓の左右の心房を隔てる壁に穴が開いている疾患。
狭心症
心臓への酸素供給が不足して起こる一時的な胸痛。
原因として喫煙、呼吸器系疾患による血液中の酸素濃度の低下、冠動脈不全等による冠血流の制限、そして通常以上に心臓の働きが上昇した場合等に発生する。多くの場合、狭心症は心筋へ血液を供給している冠動脈の硬化、または狭窄に起因する心筋の虚血によって起こる慢性疾患である。
サイナスリズム
心電図に不整、頻脈徐脈がない正常な状態のこと。
虚血
血がない状態を意味し、心臓に十分に血が行き渡っていない状態を指す。
心臓の筋肉に血液を送り、酸素と栄養素を供給する冠動脈が、動脈硬化等で狭くなったり、血管がけいれんを起こすことで血液が行き渡らなくなったとき、胸痛等の症状として現れる。
虚血性心疾患
冠動脈疾患とも呼ばれ、冠動脈狭窄によって心筋への血液供給が不足して起こる心疾患。
CAG(Coronary Angiography)
心臓の検査方法で冠動脈をカテーテルにより造影し、狭窄などを探す。
通常、同時に左心室造影も行なわれる。
心筋梗塞
冠状動脈において動脈硬化による閉塞や血管の攣縮等によって血液が途絶したり減少したりして、その支配領域の心筋に壊死を生じること。
Brady(Bradycardia)
徐脈性不整脈のこと。
正常よりも脈が遅くなる病気の総称で、症状として突然目の前が真っ暗になったように感じる眼前暗黒感やめまい、息切れや疲労感などがあり、状態、症状によって恒久的ペースメーカを植込むことがある。
Tachy(Tachycardia)
頻脈性不整脈のこと。
正常よりも脈が速くなる病気の総称で、症状として心臓がドキドキする、めまい、立ちくらみ、さらには失神、けいれんといった自覚症状があり、一部の頻脈では死に至ることもある。
処置として薬物治療、非薬物治療(植込み型除細動器(ICD)の植込み、アブレーション)を行うことがある。
AF(Atrial Fibrillation)
心房細動のこと。
心房と呼ばれる心臓内の部屋が小刻みに震えてけいれんし、うまく働かなくなってしまう心臓の病気(頻脈性不整脈の一種)。
カテーテルアブレーション治療
頻脈性不整脈を引き起こす原因となっている不規則な電気信号を止める治療。
大きく分けると2種類の治療方法があり、1つはカテーテル(体の中に入る細い管)の先端を使って心筋を1箇所ずつ点状に加熱し治療する「カテーテルアブレーション」、もう1つは、先端に風船状に膨らむ器具をつけたカテーテルを用いて、膨らませた風船を心筋に密着させ治療する「バルーンアブレーション」がある。
ブロッケンブロー
Brockenbrough(ブロッケンブロー)法:経心房中隔穿刺法。
左心房にカテーテルを挿入・留置する際に、右心房から針(RFニードル)を用いて、右心房と左心房の間の壁(心房中隔)を刺して穴を開け、左心房へのアクセスを可能にすることをいう。
主にAF(心房細動)のアブレーション時にこのブロッケンブローを行って左心房にある肺静脈を焼灼していく際に用いられる。
大動脈解離
解離性大動脈瘤(大動脈解離)のこと。
大動脈は、外膜、中膜、内膜の3層構造となっているが、何らかの原因で内側にある内膜に裂け目ができ、その外側の中膜の中に血液が入り込んで長軸方向に大動脈が裂ける疾患。
血管の裂けた部位や解離の範囲によりいくつかのタイプに分類されるが、緊急性の高い急性A型解離の発症率が圧倒的に多い。
動脈硬化、高血圧、喫煙、ストレス、高脂血症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、遺伝などのさまざまな要因が関係すると考えられている。
大動脈瘤
真性大動脈瘤のこと。
大動脈が部分的に「こぶ」のように膨らむ疾患。
胸部大動脈(上行大動脈、弓部大動脈、下行大動脈)に発生したものを胸部大動脈瘤と呼び、腹部大動脈に発生したものを腹部大動脈瘤と呼ぶ。
いったん「こぶ」が生じると、その部分の血管がもろくなり、次第に拡大し破裂に至る。
動脈硬化、高血圧、喫煙、ストレス、高脂血症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群、遺伝などのさまざまな要因が関係すると考えられている。
不整脈
心臓の筋肉は、電気信号によって規則正しく収縮と弛緩を繰り返し血液を送り出しているが、何らかの理由で電気信号に乱れが生じると、心臓の拍動のリズムが一時的に不規則になる。それが脈の乱れ=不整脈となってあらわれる。
不整脈には大きく分けて3つの種類があり、脈が遅くなる「徐脈性不整脈(Brady)」、脈が速くなる「頻脈性不整脈(Tachy)」、脈がとぶように感じられる「期外収縮」である。
3. 医療業界
特定保険医療材料
診療報酬(手技料、薬剤費など)とは別に、医療機器の価格が定められている医療機器のこと。
当社の取り扱う製品のほとんどがこれにあたる。
クラス分類
医療機器は、人体に与えるリスクの程度によって分類されている。
クラスⅣ 高度管理医療機器
リスク:高~
副作用又は機能の障害が生じた場合において、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある
申請:PMDAに届出
製造販売:第一種医療機器製造販売業許可
例:ペースメーカ、人工血管
クラスⅢ 高度管理医用機器
リスク:中~高
副作用又は機能の障害が生じた場合において、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある
申請:指定管理医療機器については、第三者認証機関(ARCB)に認証申請
製造販売:第一種医療機器製造販売業許可
例:人工透析器
クラスⅡ 管理医療機器
リスク:低~中
副作用又は機能の障害が生じた場合において、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがある
申請:PMDAに承認申請
製造販売:第二種医療機器製造販売業許可
例:注射針
クラスⅠ 一般医療機器
リスク:~低
副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどない
申請:PMDAに承認申請
製造販売:第三種医療機器製造販売業許可
例:手術用不織布
NHI(National Health Insurance)
保険償還価格のこと。
健康保険の給付対象となる医療機器については国が価格を定めており、その価格を保険償還価格(=公定価格)という。
PMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)
独立行政法人医薬品医療機器総合機構のこと。
医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を図り(健康被害救済)、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し(承認審査)、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行う(安全対策)ことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としている。
FDA(Food and Drug Administration)
アメリカ食品医薬品局のこと。
日本の厚生労働省にあたる公的機関。
医療機器を米国市場に輸出しようとする際、FDAに登録、届出または承認を取得する必要がある。
NB(Notified Body)
医療機器が欧州医療機器指令に規定されている適用必須規制要件を遵守しているか否かを検証する民間組織で、然るべき所轄官庁によって任命されたもの。
CEマーク
製品をEU加盟国へ輸出する際に、安全基準条件(使用者・消費者の健康と安全および共通利益の確保を守るための条件)を満たすことを証明するマーク。
CEマークを貼付するためには、認証権限の与えられた公認機関(NB(ノーティファイドボディ))に、MDD(Medical Devices Directive:医療機器指令)の要求事項に適合しているかの判定を依頼する。
なお、2020年5月26日より、MDDに代わり、MDR(Medical Device Regulation:医療機器規則)が3年間の移行期間を経て適用される。
薬事三役(製造販売業における三役体制)
「薬事三役」という定義はなく、「製造販売業における三役体制」のことを意味する。
<製造販売業における三役体制>
国は、医療機器又は体外診断用医薬品の製造管理又は品質管理に係る業務を行う体制の基準(体制)、製造管理及び品質管理の基準(QMS)、医療機器の市販後安全管理に関する基準(GVP)を、省令として公布している。
医療機器の製造販売業許可業者は、これらの省令にしたがって、適切に、医療機器の品質管理・安全管理を行わねばならない。
このことから製造販売業者は以下の責任者が必要となり、これらの責任者をいわゆる三役という。
<三役>
医療機器等総括製造販売責任者(総括):薬機法に従い、製品の出荷の決定その他の製造管理及び品質管理に係る業務並びに製造販売後安全管理に係る業務を統括し、これに責任を負う医療機器製品の市場に対する最終的な責任を有する者。
国内品質業務運営責任者(品責):QMS省令に従い国内における品質管理に関する責任者。
安全管理責任者(安責):GVP省令に従い安全管理業務を行う責任者。
臨床開発
医薬品、医療機器、食品(特定保健用健康食品)、化粧品等の開発業務のことで、人に対する臨床試験(治験)を行い、最終的に国(厚生労働省)に製造販売の承認を受けることを目的としている(トクホは消費者庁管轄)。
臨床開発は、長い期間を要し、その後、承認を受けられるものも多くはないため、省令などの改正により、国を超えての同時試験(国際共同治験・グローバルスタディー)などで、申請から承認までのスピードアップが図られている。
製薬会社、医療機器メーカー等が主導し、医療機関等の協力を得て行う治験が一般的だが、医師や医療機関主導の治験実施も可能である。
外部機関(CRO)に業務を委託して行われることが多くなっている。
CRO(Contract Research Organization)
開発業務受託機関のこと。
製品開発の為に行う治験業務(臨床開発)を受託・代行する企業を指す。
CDR(Cardiac Device Representatives)
心臓ペースメーカやICD(植込み型除細動器)などについての専門的な医療機器情報や医療技術情報を提供する人を指す。
品質保証
英語ではQA(Quality Assurance)と呼び、提供するモノやサービスが顧客に渡る際や渡った後に使用上問題がないかを保証すること。
提供するモノやサービスの生産、製造、運営過程で問題がないかを管理する「品質管理」(QC: Quality Control)とは区別される。
添付文書(IFU)
医薬品や医療機器に添付されている、使用上の注意や用法・用量、服用した際の効能、副作用などを記載した書面。
医師をはじめとした医療従事者を含む、製品の使用者を対象に作成される患者の安全のため、医薬品や医療機器を正しく適切に使用する際の基本となる重要な公的文書である。
海外ではIFU(Instructions for Use)が日本の添付文書に相当する。
回収(リコール)
製造販売業者等がその製造販売をし、製造をし、又は承認を受けた医薬品・医療機器等を引き取ることをいう。
「改修」及び「患者モニタリング」を含み、「在庫処理」及び「現品交換」を除く。
回収される製品によりもたらされる健康への危険性の程度により、I~IIIのクラスに分類される。
回収の概要においては、医療機器を動かさずに修理、調整等を行う場合を「改修」、医療機器を患者から摘出することなく、患者の経過を観察することを「患者モニタリング」と表現して区別している。
改修
医療機器の製造販売業者等がその製造販売をし、製造をし、又は承認を受けた医療機器を物理的に他の場所に移動することなく、修理、改良、調整、廃棄又は監視を行うことをいう。
また、医療機器プログラムの場合は、品質、有効性及び安全性に問題のない新しいプログラムに置き換えること又は修正することをいう。
患者モニタリング
医療機器又は再生医療等製品の製造販売業者等がその製造販売をし、製造をし、又は承認を受けた医療機器又は再生医療等製品を患者から摘出することなく、当該医療機器又は再生医療等製品を使用している患者の経過を観察することをいう。
PMS(Post Marketing Surveillance)
市販後調査のこと。
販売が開始された製品の有効性・安全性の確認と、販売前の治験で得られなかった新たな作用・副作用に関する情報収集のために行われる調査の総称。
スタディ
製品を使用している医師から、製品の性能評価等の客観的なデータを収集する実態調査。
製品の販売促進ツールや、改良や開発の参考情報として活用する。
KOL(Key Opinion Leader)
販売促進に影響力を持つ医師などの専門家のこと。
KOLが適切な治療方針を示すことが、現場で働く医師たちに大きな影響を持つため、KOLには他の医師たちに最新の情報を普及させるプロモーターの役割が期待されている。
共同購入
医療機関が共同購入を行う業者を通じて、病院に必要な医療機器を取りまとめて、有利な価格で購入すること。
NHA(Nihon Hospital Alliance)
一般社団法人日本ホスピタルアライアンス。
医療機器の共同購入を行う国内最大級の組織。
VHJ(Voluntary Hospitals of Japan)
NPO法人VHJ機構。
医療機器の共同購入を行う組織のこと。
医療材料や医薬品の品質評価、臨床研究なども行う。
滅菌バリデーション
バリデーション(Validation):方法や過程の妥当性を検証すること。
滅菌バリデーションとは、製造所の滅菌に係る構造設備や、手順・工程、その他の製造管理及び品質管理の方法が、製品の無菌性保証に対して妥当であるかを検証し、文書化により、製品の無菌性を恒常的に保証すること。
検証の項目としては、滅菌作用(暴露)時間、温湿度条件、ガス濃度、ガス抜きの期間、滅菌可能回数、滅菌器内の積載パターンなどがある。
滅菌負荷が最も高い条件でも製品性能が担保出来るか、また滅菌され難い箇所、条件でも確実に滅菌されるかなどの評価を行う。
EOG(Ethylene Oxide Gas)滅菌
医療機器の滅菌方法として、高圧蒸気滅菌、放射線滅菌、EOG滅菌などがあるが、各特性に応じて滅菌方法が選定される。
高圧蒸気滅菌:水蒸気による滅菌方法水蒸気が残るため乾燥が必要となる耐熱性のない材料では使用できない。
放射線滅菌:ガンマ線、電子線による滅菌方法残留物はなし材質により変色・劣化が生じる。
EOG滅菌:エチレンオキサイドガスを直接製品に暴露(滅菌作用)させて微生物を滅菌する方法製品にエチレンオキサイドガスが残留するためガス抜き工程が必要となる。
クリーンルーム・清浄度
浮遊微粒子や浮遊微生物を除去、かつ、持ち込まないように様々な対策を施し、これらを規定レベルの範囲に維持・管理された部屋のこと。
空気のキレイなレベルを清浄度(クラス)といって、清浄度(クラス)の示す尺度として単位体積に含まれる粒子の数で表現するのが一般的。
国際統一規格であるISO規格によって、クリーンルームにおける空気清浄度をクラス1~9で分類している。
DR(Design Review)
開発における成果物を、複数の人にチェックしてもらう機会のことで、JIS(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)9000シリーズにおいて定義されている設計審査のこと。
HRS(Heart Rhythm Society)
1979年に設立された国際非営利組織であり、心臓ペーシングや電気生理学など不整脈を専門とする。
JHRS(Japanese Heart Rhythm Society):日本不整脈心電学会。
APHRS(Asia Pacific Heart Rhythm Society):アジア太平洋不整脈学会。
アブ研
カテーテルアブレーション関連大会の略称で、JHRSが主催するEP/アブレーションに特化した学会のこと毎年1回、第3Qに開催される。
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の患者に対して治療する医療機器。
鼻に装着したマスクから送り込んだ空気の圧で空気の通り道を確保することができる。
4. 法令・規制
透明性ガイドライン
医機連(日本医療機器産業連合会)が策定したガイドラインであり、医療機関等との関係の透明性及び信頼性を確保することにより、企業活動が高い倫理性を担保した上で行われてくことを目的としている。
会員企業は、本ガイドラインを参考に自社の「透明性に関する指針」を策定し、行動基準とする。
薬機法
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の略称。
QMS(Quality Management System)
医療機器または体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準のこと。
GVP(Good Vigilance Practice)
医療機器等の製造販売後安全管理の基準のこと。
GMP(Good Manufacturing Practice)
医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準のこと。
ISO13485
医療機器産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格。
日本を含む世界各国の医療機器に関する規制において、品質管理手法のベースとして採用されている。
MDD(Medical Devices Directive)
医療機器指令のこと。
欧州で医療機器を流通させるにあたり、必ず適合していなくてはならない指令。
2020年5月26日からは、MDDに代わりMDR(医療機器規則)が適用される。
MDR(Medical Device Regulation)
医療機器規則のこと。
欧州で流通する医療機器に関する規則であるMDDに代わるものであり、2017年5月5日に発行、2017年5月25日に有効となった。
MDRはMDDからの3年間の移行期間を経て、2020年5月26日より適用される。
MDRは人の健康および安全を高度な視点で守るため、NBおよび当局による適合性評価、市販後の監視等を強化している。
5. 業許可
MAH(Marketing Authorization Holder)
製造販売業者のこと。
医療機器の「承認」や「認証」の審査等を申請する役割を担う。
製品の薬事申請者となり安全・品質管理責任を負うので、医療機器の製造において最も重要な役割を果たしていると言える。
DMAH(Designated Marketing Authorization Holder)
選任製造販売業者のこと。
外国製造業者が日本国内で製品を販売する際に、日本に事業所を有しない場合は、外国特例承認制度により、自らが製造販売承認申請者となり承認を保有することができるが、この場合、国内の製造販売業者を選任することが必要になる(選任製造販売業者/DMAH)。
DMAHは、日本国内におけるQMSに基づく品質管理及びGVPに基づく製造販売後安全管理業務の実施、その他、製品の申請業務を含む様々な業務の実施が義務付けられている。
製造業
医療機器製造販売業者の委託を受け、製品の製造を行なう者。
認められているのは製造だけであって、医療機器製造販売業者のように医療機器の承認・認証申請をしたり、医療機器販売業者およびエンドユーザーへ売ったりすることはできない。
販売業
自らは製造行為を行なわないが、製品の出荷・上市を行なうと同時に医療機器の製品についての流通責任を負う者のこと。
品質(製造)だけでなく、安全(情報)についても積極的に収集・分析・評価を行い、必要な措置を講じなければならない。