病名と症状
頻脈は1分間の心拍数が100回を上回った状態を指します。頻脈のおもな原因は、洞結節以外の場所で電気刺激が生まれる、心臓内で電気刺激が旋回するといったものです。動悸、息切れ、胸痛、めまいなどの症状が現れます。心房細動は頻脈のひとつで、心房が痙攣したように小刻みに震えます。心房細動中は、心房内の血液の流れが悪く滞留してしまうため、血栓とよばれる血液の塊が形成されやすくなります。この血栓が脳の血管にまで流れてしまうと、脳梗塞を引き起こしてしまいます。これを心源性脳梗塞といいます。
検査
頻脈の診断には、心電図検査やホルター心電図検査などが用いられます。これらの検査は心臓の電気的な活動を調べるもので、心拍のリズムや心拍数を評価するのに役立ちます。短時間(30秒程度)で記録するものや24時間、7日間と長時間記録するものがあります。記録時間が長いほど不整脈の検出率は高くなります。
治療
頻脈や心房細動の治療のひとつにカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)があります。これは、異常な電気刺激が発生している場所や旋回している場所を特定し焼灼することで、頻脈を停止させる治療法です。脚の付け根の血管からカテーテルとよばれる細い管を心臓にまで挿入し治療します。高周波電流や、熱、冷凍凝固、レーザーなど、頻脈の種類によって治療法が選択されます。
入院/退院
カテーテルアブレーションは、治療後2~3日で退院することがほとんどです。最近では止血デバイスの導入により早期の安静解除・歩行が可能となり、治療後の負担が大幅に軽減されています。また、退院後は定期的な診察と検査を実施し、治療の経過をチェックします。
よくある質問
Q. カテーテルアブレーションは痛いですか? A. カテーテルアブレーションは麻酔下で行われます。治療中に痛みを感じることはほとんどありません。治療後は傷口(脚の付け根)に一時的な痛みを感じるがあるかもしれませんが、止血デバイスの使用や鎮痛薬の服用により痛みを軽減させることができます。
Q. カテーテルアブレーションを受けたあと、どのくらいで歩けるようになりますか? A. 治療後の状態や止血方法、病院の管理方法によって異なります。従来は6時間から1日の安静が必要でしたが、止血デバイスを導入している施設では2~3時間で安静解除、3~4時間で歩行可としているところもあります。
Q. 治療後の生活で注意すべきことはありますか? A. 治療後は傷口のケアや定期的な診察・検査が必要です。担当医から具体的な指示があります。
関連情報
上記の情報は一般的なものであり、個々の患者さんの状況により異なる場合があります。具体的な疑問などは専門の医療機関や医師にご相談ください。
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