病名と症状
脳梗塞とは、脳への血流が一部で止まり、脳細胞が酸素や栄養を得られなくなる病気を指します。これは血栓(血の塊)が血管をふさぐことで起こります。症状としては片側の手足の麻痺、言葉が出ない、視野が欠ける、顔が歪むなどがあります。
検査
脳梗塞の診断は、磁気共鳴画像法(MRI/MRA)、CT検査などで行われます。これらにより、脳の血管の形状や大きさ、部位などを確認します。
治療
脳梗塞の治療には、主に経静脈血栓溶解療法(t-PA治療)や血管内手術(経皮的脳血栓回収術)があります。脳梗塞の種類や発症からの経過時間などにより最適な治療を選択します。
発症から4.5時間以内であれば、血栓を溶かす薬を静脈に注射し、再度血液が流れるようにする治療を行います(t-PA治療)。
t-PA治療が受けられない場合や、症状の改善が見込めない場合は、ステントリトリートバーあるいは血栓吸引カテーテルといった器具を用いた治療を行います(経皮的脳血栓回収術)。どちらも、カテーテルという細い管を足の付け根や手首の血管から挿入して目的の部位へ到達させ、その通り道を利用して使用されます。
ステントリトリートバーとは、金属の網状の筒(ステント)に血栓をからめとり、体外へ摘出する器具です。血栓吸引カテーテルとは、吸引ポンプやシリンジを用いて、血栓をカテーテル内に吸い込み、体外へ摘出する器具です。治療時間は通常2~3時間程度です。
入院/退院
経皮的脳血栓回収術の入院期間は数日から一週間程度とされており、患者の状態や合併症の有無などによって変わる場合があります。退院後は定期的に医師の診察や画像検査を受け、手術後の結果をチェックします。
よくある質問
Q. 経皮的脳血栓回収術は痛いですか? A. 経皮的脳血栓回収術は通常は局所麻酔下で行われ、血栓を回収するときに血管痛という痛みを伴う場合があります。術後の痛みは少ないとされています。
Q. 治療後の生活で注意すべきことは何ですか? A. 医師の指示に従い、定期的な診察や検査を受けることが重要です。また、規則正しい生活を心がけます。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などは再発に関わる要因と考えられています。これらを悪化させないよう管理していくことが必要です。
Q. 経皮的脳血栓回収術のリスクはどのようなものがありますか? A. カテーテルなどの器具が血管を傷つけたりして出血すると、脳出血を引き起こす可能性があります。 また、血栓が血流によって別の部位に流れ、新たな閉塞を生じることもあります。
上記の情報は一般的なものであり、個々の患者さんの状況により異なる場合があります。具体的な疑問などは専門の医療機関や医師にご相談ください。