病名と症状
心不全の患者さんの中には、右心室と左心室の収縮のタイミングや、左心室を構成する壁の収縮のタイミングがずれている場合がありますが、このような状態を心室同期不全と呼びます。この収縮のタイミングのずれは、心臓を収縮させるための電気の流れ(刺激伝導系)に問題があるために起こります。
検査
心室同期不全の診断には、心電図検査や心エコー検査などが用いられます。これらの検査は心臓の電気的な活動や心臓の動きを調べるもので、刺激伝導系の問題や心臓の機能を評価するのに役立ちます。
治療
心室同期不全の治療の一つに両心室ペースメーカ(CRT-P)や両室ペーシング機能付き植込型除細動器(CRT-D)の装着があります。CRT-P やCRT-D は、左心室を電気刺激することで、左右の心室の収縮のタイミングのずれや、左心室を構成する壁の収縮のタイミングのずれを補正します。植込み手術は通常局所麻酔下で行われ、CRT-P やCRT-D は胸部の皮下に植込まれます。
入院/退院
CRT-P やCRT-D の植込み手術に必要な入院期間は一週間程度です。退院後は定期的に医師の診察を受け、CRT-P やCRT-D の動作をチェックします。
よくある質問
Q. CRT-P やCRT-D の植込み手術では痛みを感じますか? A. CRT-P やCRT-D の手術は通常局所麻酔下で行われます。手術中に痛みを感じることはほとんどありません。手術後に痛みを感じる場合、痛み止めのための適切な処置が施されます。
Q. 退院後の生活で注意すべきことは何ですか? A. 退院後は定期的に医師の診察を受け、CRT-P やCRT-D の動作の確認や、必要に応じた調整を行います。なお、日常生活においては、一部の強い電磁波を発生する機器から距離を取ることが推奨されます。
Q. CRT-P やCRT-D の電池はどのくらい持ちますか? A. CRT-P やCRT-D の電池寿命は一般に5~10 年程度ですが、使用状況によって異なります。CRT-P やCRT-D の電池残量は定期的にチェックされ、CRT-P やCRT-D の交換が必要な時期は事前に知らされます。
関連情報
説明動画(ペースメーカのはなし・ICDのはなし・CRTのはなし)
上記の情報は一般的なものであり、個々の患者さんの状況により異なる場合があります。具体的な疑問などは専門の医療機関や医師にご相談ください。