病名と症状
頻脈は1分間の心拍数が100回を上回った状態を指します。頻脈になると失神、めまい、動悸、息切れ、胸痛などの症状が現れることがありますが、頻脈の中には命にかかわる危険な不整脈もあります。頻脈のおもな原因は、洞結節以外の場所で電気刺激が生まれる、心臓内で電気刺激が旋回するといったものです。
検査
頻脈の診断には、心電図検査やホルター心電図検査などが用いられます。これらの検査は心臓の電気的な活動を調べるもので、心拍のリズムや心拍数を評価するのに役立ちます。
治療
頻脈の治療の一つに ICD(植込み型除細動器)の装着があります。ICD は植込み型の装置で、ICD が出力する電気ショックをリード(導線)経由で心臓に送ることで危険な不整脈を止め、正常な心臓のリズムを回復させます。植込み手術は局所麻酔下、または全身麻酔下で行われ、ICD とリードは体内に植込まれます。ICD には、リードを心臓内に留置するタイプと、胸部の皮下に留置するタイプの2種類があり、リードを胸部の皮下に留置するタイプの ICD は皮下植込み型除細動器(S-ICD)と呼ばれます。
入院/退院
ICD の植込み手術に必要な入院期間は一週間程度です。退院後は定期的に医師の診察を受け、ICD の動作をチェックします。
よくある質問
Q. ICD の植込み手術では痛みを感じますか? A. ICD の植込み手術は局所麻酔下、または全身麻酔下で行われます。手術中に痛みを感じることはほとんどありません。手術後に痛みを感じる場合、痛み止めのための適切な処置が施されます。
Q. 退院後の生活で注意すべきことは何ですか? A. 退院後は定期的に医師の診察を受け、ICD の動作の確認や、必要に応じた調整を行います。なお、日常生活においては、一部の強い電磁波を発生する機器から距離を取ることが推奨されます。
Q. ICD の電池はどのくらい持ちますか? A. ICD の電池寿命は一般に5~10年程度ですが、使用状況によって異なります。ICD の電池残量は定期的にチェックされ、ICD の交換が必要な時期は事前に知らされます。
関連情報
S-ICD(皮下植込み型除細動器)治療情報サイト(ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社)
説明動画(ペースメーカのはなし・ICDのはなし・CRTのはなし)
上記の情報は一般的なものであり、個々の患者さんの状況により異なる場合があります。具体的な疑問などは専門の医療機関や医師にご相談ください。