カテーテルアブレーション治療

2. 不整脈について

不整脈とは

正常に刺激伝導系が機能している場合、心臓は規則正しく拍動し、血液を送り出すポンプの役割を果たします。しかし、刺激伝導系に異常が生じると心臓の拍動するリズムが不規則になったり、異常に速くなったり、遅くなったりします。このように、刺激伝導系の機能異常によって心臓の拍動(心拍)が乱れる状態を不整脈と呼びます。

心拍が異常に多くなると、激しい動悸や胸の中に不快感を感じるようになり、血液を送り出す効率が下がるため、疲労感や息苦しさ、意識が遠くなるようなめまい・ふらつきといった症状が現れます。

また、心拍が極端に少なくなると疲労感や息切れ・めまいなどが現れ、 重症の時には意識を失う発作が起きることもあります。 心拍が規則的な間隔を外れて突然出現する場合は、 胸の中に不快感や心臓の痛みを伴うこともあります。

不整脈とは

不整脈を引き起こす原因

不整脈を引き起こす原因には、生まれつき刺激伝導系に異常がある場合や年齢と共に刺激伝導系の働きが低下することが原因である場合と、心筋梗塞や心筋症など心臓自体の病気で心臓の筋肉に異常が起こり、刺激伝導系にも異常および不整脈を発生させるもの、不整脈を引き起こす原因ホルモン分泌の異常や自律神経の活動異常など体のバランスを崩した結果、不整脈が合併症として現れる心臓以外の病気が原因となるものがあります。

また、他の心臓病で治療のために服用しているお薬が原因となるものもあります。精神的なストレスや喫煙など心臓に負担をかける状態が重なり合うと、不整脈を更に悪化させるとも考えられています。

不整脈を引き起こす原因

不整脈にはいろいろな種類があります。中には健康な方でも起こる治療の必要のない不整脈もありますが、ここでは治療が必要な不整脈についてその治療法も含めて説明します。

徐脈性不整脈と頻脈性不整脈

不整脈が起きた時の拍動(脈)は、遅いものと速いものの2種類に分けることが出来ます。

遅いものとは、失神などの症状が現れる1分間の拍動数(脈)が50回以下の不整脈で、徐脈性不整脈と呼びます。主な原因は刺激伝導系の機能低下によるもので、心臓ペースメーカによって人工的に心臓へ興奮刺激を補う治療が行われます。

速いものとは、動悸感や意識が遠くなるような症状が現れる1分間の拍動数(脈)が100回以上の不整脈で、頻脈性不整脈と呼びます。興奮刺激の道(伝導路)に余分な興奮刺激の発生源ができること、正常な興奮刺激の道(伝導路)以外の道(副伝導路)が存在することが原因となります。もととなる発生源や副伝導路を直接的に焼灼するカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)治療の対象となる不整脈です。

上室性不整脈と心室性不整脈

刺激伝導系の異常が起こる部分により、不整脈は次の2つに分けることが出来ます。問題となる異常が心室より上部にある場合(心房の心筋や洞結節・房室結節など)を上室性不整脈と呼び、心室の心筋やヒス束、右脚・左脚、プルキンエ線維などの異常による場合を心室性不整脈と呼びます。

頻脈性不整脈のカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)治療では、上室性不整脈の方が心室性不整脈に比べて異常な部位(治療を行う箇所)が判明しやすく、治療効果も高いとされています。

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