カテーテルアブレーション治療

3. 治療対象となる不整脈

「2.不整脈について」では、不整脈の種類と共に、カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)治療の対象となる頻脈性不整脈をご紹介しました。頻脈性不整脈も原因部分の場所によって細かく分けられます。

ここでは頻脈性不整脈の種類と、治療の種類をご紹介します。

上室性頻拍症

心室より上の部分が原因で起きる頻脈性不整脈です。

WPW症候群(房室回帰性頻拍)

正常の刺激伝導系(正常伝導路)の他に興奮刺激が心房から心室へ伝導する異常伝導路(副伝導路)が存在するため、一度心室に伝わった興奮刺激がこの副伝導路を伝わって再び心房に戻ってしまう頻拍です。興奮刺激が回路を回り続けてしまい、心房と心室が絶え間なく拍動し、頻脈性不整脈となってしまいます。

WPW症候群(房室回帰性頻拍)
房室結節回帰性頻拍

この頻拍では、正常伝導路の房室結節の中に伝導速度の異なる2つの経路が存在します。その伝導速度の違いから早い経路と遅い経路との間に旋回路が出来てしまい、興奮刺激が房室結節内を旋回して心房と心室を絶え間なく拍動させる頻脈性不整脈となってしまいます。

この2つの頻拍は、原因となる異常な部分を焼灼し治療を行います。

房室結節回帰性頻拍
心房頻拍

心房内に異常興奮部位が存在することで起きる頻拍です。治療にはこのもととなる異常興奮部位に対し焼灼を行います。

心房頻拍
心房粗動

この頻拍の多くは右心房内を大きく旋回する異常な興奮回路に起因します。心房を1分間に250回~300回刺激させる不整脈ですが、実際に心室までこの異常興奮刺激が伝導するのはその何分の一ですので心臓の拍動が250回になったりすることはありません。

この頻拍の治療は、この旋回路の一部を興奮刺激が通らないように線状焼灼を行います。

心房粗動
心房細動

心房内で不規則に興奮刺激が多発し、心房が痙攣を起こした状態になる頻拍です。年齢と共に発生率が高くなる傾向にあり、短期的には強い症状が現れませんが、心房自体が痙攣しているため心房内に血液が滞留しがちとなり、長期的には血栓が形成され、この血栓が血液の流れにより他の臓器の動脈を塞いでしまう動脈塞栓症(脳梗塞など)を引き起こす危険性のある頻拍です。

以前ではお薬による治療が主流でしたが、近年心房細動の原因の1つとして左心房にある肺静脈の異常興奮の関与が解明され、この異常興奮が左心房へ伝導するのを遮断する焼灼(肺静脈隔離術)が行われるようになりました。

心房細動

心室頻拍

心室は心臓から血液を送り出す重要な働きをしています。心室頻拍は、心臓のポンプ機能に障害を起こす致死的な頻拍の1つです。この頻拍は、原因となる病気がはっきりしていない特発性心室頻拍と、心臓の他の病気(心筋梗塞・心筋症)が原因で起こる二次性心室頻拍に分けられます。

特発性心室頻拍は心室内の異常興奮によるものが多く、カテーテルアブレーション治療はこの異常興奮部位を焼灼して行います。

特発性心室頻拍

二次性心室頻拍は、心筋梗塞や心筋症などによって障害を受けた心筋の周囲に興奮刺激の異常旋回路が形成され、この回路を興奮刺激が旋回して心室を頻回に拍動させてしまう頻拍です。

他の頻拍と異なり患者さまによって異常旋回路の形状・大きさなどに違いがあり、治療においては難易度の高い頻拍す。

二次性心室頻拍
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