カテーテルアブレーション治療
4. 治療の流れ
カテーテルアブレーション治療の概要と治療を受ける際の流れをご紹介します。
カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)
カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)は、1980年代初めにアメリカで治療が開始され、対象となる不整脈のしくみ(メカニズム)が解明されたこと、カテーテル(焼灼用の管)の進歩により、現在は日本でも急速に普及しました。
治療は局所麻酔下でカテーテルという直径2mm位の管を心臓内に挿入して、不整脈のもととなる異常な部分に高周波電流を流し焼灼を行います。外科的な手術に比べて患者さまの体への負担が少ない治療です。
カテーテルアブレーション治療中は、 熱さや軽い痛みを感じることもあります。 万が一我慢できないような場合は医療スタッフにお伝え下さい。

施術前
治療前に、主治医と治療に携わるスタッフが治療方法について検討します。
主治医から治療についての説明(検査・治療の内容、治療に伴う合併症などのリスクなど)が行われます。
施術前日
通院で治療に必要な検査を受け、予め必要な情報が得られている場合、何週間も前から入院していただく必要はありません。治療数日前~前日からの入院で済む場合もあります。
治療前の数日間は、それまで飲んでいたお薬(抗不整脈薬や抗凝固剤)の服用を中止していただくことがあります。不整脈が起こりやすくなりますので、不安な場合は医療スタッフにご相談ください。
治療前日には、治療の際にカテーテル(管)を心臓内に挿入する部分となる太もも付け根付近などの除毛(じょもう:体毛を剃ること)や入浴など、施術に備えて準備を行います。
施術当日
治療は太ももの付け根などのカテーテル挿入部付近を局所麻酔して行われます
局所麻酔をしてから血管にカテーテルを挿入します。
治療は意識のあるなかで受けていただくことになります。治療中は心電図を見ながら進められます。治療に使用する検査器械などがさまざまな音を立てますが、医療スタッフがモニターを常時監視していますので、心配はいりません。
治療中に意図的に電気刺激装置を使用して、心臓の拍動を作り出す場合があります。動悸や脈が途切れる感じがすることや発作が誘発される場合がありますが、この電気刺激装置で停止させることが出来ますので心配はいりません。
治療中に使用するお薬で、動悸、のどが渇く、目がチカチカするなどの症状が現れることがありますが、薬が切れれば症状はなくなります。
治療中は深呼吸や咳払いをすることでカテーテルの位置が動き、安全な治療ができないこともありますので、通常の呼吸を心がけ、身体はなるべく動かさないようにしてください。体の異常を感じた際はその場で医療スタッフにお伝えください。
治療時間は治療する不整脈によって違います。
治療後、一過性の血圧低下から気分が悪くなることがあります。

施術後
治療を受けた日はベッドの上で安静にしてください。
カテーテルを入れた部分からの出血がないか、心電図の異常や合併症の症状が認められないかどうかなどを医療スタッフがチェックします
異常が無ければ翌日からベッドを離れて歩くことが出来ます。
治療後の検査結果(心電図など)が良好でしたら、治療を受けた不整脈によりますが、治療後数日から1週間程度で退院となります。
