カテーテルアブレーション治療

5. 合併症・治療後の生活

カテーテルアブレーション治療を受けた後に考えられる合併症や生活についてご紹介します。

カテーテルアブレーション治療の合併症について

カテーテルアブレーション治療では、ごく稀に次のような合併症が起こることがあります。しかし合併症が発生した際でも、生命の危険に拘わる重篤な合併症はほとんど発生しません。

房室ブロック

心房と心室の間にある正常伝導路(房室結節)を傷つけてしまった場合に発生します。重度の場合、ペースメーカを植込むことになります。焼灼を行う部分によっては発生率が0%と言えない合併症です。

血栓塞栓症

焼灼を行った部分に発生した血栓や、心筋組織を必要以上に熱した際に血液が沸騰して発生した気泡が血管を塞いでしまう状態をいいます。この状態を予防するため、血液の凝固を防ぐお薬を投与し、心筋組織に過度の熱を発生させないように注意を払いながら焼灼を行います。

心タンポナーデ(心筋穿孔に伴う)

カテーテルの操作などで心筋(心臓の筋肉)や血管に傷がつき、心臓の周りに血液が漏れて溜まり、心臓拍動の障害となる状態をいいます。適切な処置を行うことで生命に係ることではありませんが、治療後の入院期間が延長されたり、場合によっては外科的な処置が必要となることもあります。

再発

適切な焼灼を行った部位であっても、心筋(心臓の筋肉)の活性化により頻拍が復活してしまうことがあります。治療する頻拍によりますが、ごく稀に発生します。

その他

治療中のカテーテル操作により大動脈弁に軽度の障害が生じることや、カテーテル挿入部位(穿刺部位)から出血が生じる場合がありますが、外科的処置が必要になることはほとんどありません。

カテーテルアブレーション治療後の生活について

カテーテルアブレーション治療後は、健康な時と同様に日常生活を送ることができます。

ただし、いくつか心がけるべきこともあります。

  • 血栓形成を抑制するお薬の服用が1ヶ月程度必要となる場合があります。
  • 治療した不整脈により再発を起こすものも稀にあります。いつもと違う動悸など体の異常を感じたら早めに受診するようにしてください。
  • 治療後の通院の期間や頻度については、主治医または医療スタッフにお尋ねください。
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