心房中隔欠損症の治療
4. 治療について
治療は心臓カテーテル室で行われます。X線装置、超音波心エコー装置(経食道心エコー装置)で心臓を観察し、心電図モニターで心拍を看視します。治療の全行程は全身麻酔の下で行われます。
心血管造影用カテーテルを大腿静脈から挿入し、下大静脈を通って心臓まで進めます。右心房、右心室、肺動脈、左心房、左心室の各々の圧と血中の酸素飽和度を測定します。続いて経食道心エコー等により、心房中隔欠損の大きさを測定し、適切なサイズの閉鎖栓を決定します。
適切なサイズの閉鎖栓をプッシャー(閉鎖栓取り付け機能を有する専用の細いワイヤー)に取り付け、デリバリーシース(閉鎖栓を運搬する細長いカテーテル)に挿入して心房中隔欠損まで運び、閉鎖栓の2枚のかさで心房中隔を挟み込むことで、心房中隔欠損を閉鎖します。
閉鎖栓の位置が適切であり、欠損の閉鎖が良好であると判断されたら、閉鎖栓からプッシャーを取り外します。
デリバリーシステムと経食道心エコーの探触子を抜去して治療は終了です。治療は、数時間を要します※ 。
※患者さんの容態、心房中隔欠損の大きさや位置など、個々の患者さんの状態によって異なります。詳しくは主治医にお尋ね下さい。