心臓弁膜症の治療
9. 健康な生活を保つために
心臓弁膜症の手術をうけた患者さんの多くは、退院後には以前のような健康な生活を取り戻しています。健康な生活を保つために、定期的に外来を受診していただき、健康状態や、心臓、心臓弁の状態に変わりはないかを担当医師と相談しながら、健康的な食事や規則的な運動を継続していただくことが大切です。外来の際には、ワーファリン(抗凝固薬)を服用されている患者さんはお薬の効き具合により、お薬の量を調整する事もあります。
喫煙をされている方は、止めるよう医師から指示を受けることがあります。喫煙は心臓の筋肉を養っている冠動脈を狭くしたり、血液を固まりやすくしたり、肺にも害を与え血圧や心拍数を上昇させたりする恐れがあるからです。
ワーファリン(抗凝固薬)
ワーファリンは血液を固まりにくくするためのお薬です。ワーファリンが処方された場合、定期的に外来でワーファリンの効き具合を検査し、定められた用法用量をまもってお飲み下さい。大量のビタミンK はワーファリンの作用を弱めてしまいます。通常の量であれば問題はありませんが、ビタミンKを多く含む緑黄色野菜や、海藻を一度に大量に摂取しないで下さい。納豆は通常に食べる量でも腸の中でビタミンKを作りますので、摂取しないで下さい。
クロレラもビタミンKを多く含みますので、摂取しないで下さい。以下のようなことには特にご注意下さい。
- ・飲み忘れた場合に、まとめて飲まないで下さい。
- ・歯科を含め、他の診療科を受診されたり、薬局でお薬を処方してもらう際には、ワーファリンを服用 している事をお伝え下さい。
- ・出血や内出血のおそれのある運動は避けて下さい。
このようなときには
以下のような症状があらわれたときには、外来にご相談下さい。
- ・胸痛や胸の圧迫感が続く場合
- ・発熱が続く場合
- ・体のむくみや急な体重増加
- ・動悸や息切れ
- ・視野のせばまりや消失
- ・手足のしびれや表情の消失
- ・失語やことばのつまり
- ・手術創からの血液や体液のしみだし