ICD（植込み型除細動器）治療
6. 生活するにあたって
ここでは、ICDを植込んで生活をするにあたって、ICD手帳、身体障害者の認定について、自動車運転免許について、特定医療機器登録制度についてご説明します。
ICD手帳について
ICDを植込まれた方にICD手帳をお渡しします。この手帳は、ご本人と医療施設・医療機器・定期検査などの情報を記録するためのものです。
心臓以外の疾患や不慮の事故、または旅行などで普段フォローアップしている医療施設ではない施設にかかる際に、事前にこの手帳を見せると検査や治療がスムーズになり、とても役立ちます。また、空港の入り口などに設置されている金属探知器でのセキュリティチェックを受ける際は、係員に提示していただきICDを植込んでいることをお伝え下さい。
万一、意識がなくなるような病気や外傷、意思を伝達できない状態になったことを考えて、常にICD手帳を携行して下さい。もし紛失した時は、医師にお知らせ下さい。すぐに再発行されます。
身体障害者の認定について
ICDを植込んだ患者さまは、身体障害者福祉法により身体障害の認定を受ける事ができます。この身体障害者の認定は、原則として患者さまご自身の申請により認定されます。申請をご希望される方は、所定の申請用紙に必要事項をご記入いただき、指定医師による身体障害者診断書を添えて、福祉事務所に提出して下さい。
申請用紙はお住まいの地域の福祉事務所にあります。認定は県や政令指定都市で行われ、そこから身体障害者手帳が交付されます。（都道府県や市町村により、手続きが異なる場合があります）。詳しくは患者さま本人が居住する地域の福祉事務所におたずね下さい。
自動車運転免許について
一般社団法人日本不整脈心電学会のホームページに掲載されている「ICD・CRT-D植込み後の自動車の運転制限に関して」をご参照ください。
特定医療機器登録制度について
特定医療機器登録制度：特定医療機器トラッキング制度
＜制度の趣旨＞
体内に植込まれ、生命維持に直接かかわる医療機器について、当初予期することができなかった不具合が発見された場合には、迅速かつ的確に対応することが必要です。このため、こうした医療機器を特定医療機器として厚生労働大臣が指定し、製造販売承認取得者等に対して、医療関係者から直接又は特定医療機器の販売業者若しくは賃貸業者を介する等の方法により提供された当該特定医療機器の利用者の連絡先等に関する記録の作成・保存を義務づけました。特定医療機器利用者を追跡する(track)ことからトラッキング制度といわれています。この制度を設けることによって、緊急時の医療上の対応が容易になることが期待されます。
様式1本文より
上述のとおり病気を治療するために植込み型の医療機器を使用された方の安全性を確保するため、医療機器の安全性情報が速やかに患者さまや医療機関に提供されるための制度です。患者さまの情報が他の目的で使われる事はありませんので情報の提供をお願いします。詳細は主治医にご確認下さい。
特定医療機器とトラッキング書類
特定医療機器対象となる医療機器は
①植込み型心臓ペースメーカ及びそのリード
②植込み型補助人工心臓
③植込み型除細動器及びそのリード
④人工心臓弁及び人工弁輪
⑤人工血管（胸部大動脈、腹部大動脈、冠状動脈に使用されたものに限る）
＜記入用紙＞
登録に関する用紙は3種類あります。様式1、様式2、様式3の3種類でそれぞれは、
◇様式1
植込み型医療機器を利用される方の登録の希望を確認します。
◇様式2
患者さまの情報（名前、住所など）、医療機関、使用されたまたは、使用が中止された医療機器の製品情報などの詳細な情報がこの用紙で登録されます。
◇様式3
氏名や住所などの患者さまの情報に変更があった場合や医療機関の変更、医療機器の使用中止などの、様式2で最初に登録された内容に変更があった場合に提出していただきます。
＜あなたの健康を守るために（特定医療機器登録制度について）＞
◇様式1
登録の希望を確認します。医療機器を使用される本人に記入していただきます。記入いただいた用紙は、本人と医療機関が保管します。
＜特定医療機器登録用紙＞
◇様式2
医療機器を利用される方の情報や製品情報、植込みやフォローする医療機関の情報などをこの用紙に沿って登録されます。
用紙は 5 枚で利用者、医療機関、メーカーや販売業者などが保管します。
＜特定医療機器利用者用「登録変更」用紙＞
◇様式3
様式2で登録された内容に変更が生じた場合記入され、様式2同様3者が保管します。
